全館空調とはエアコン1台で快適な家。仕組み、電気代、住み心地、注意点など解説

全館空調の家

全館空調とは、1台の全館空調機で家全体を快適な状態に保ってくれるシステムです。マイホームに導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

全館空調について気になるのは、主に以下のことかと思います。

  • 仕組みがわからない
  • 電気代が高い?
  • 本当に住み心地がいいの?
  • メンテナンスが面倒?

 

そこで今回は快適な家づくりにこだわるハウスメーカーのクレアカーサが、全館空調についてわかりやすく解説します。全館空調の全体像や特徴がわかります。失敗しない選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。

 

コラムのポイント
  • 全館空調とは1台の空調機器で家全体の空調を管理するシステムで、通常の空調とは全く違う
  • 全館空調にはメリット・デメリットがあり、ライフスタイル等によって向き・不向きがある
  • 全館空調はコストが高いというイメージがあるが、家全体を考えて通常の空調と比較するのがおすすめ

 

全館空調とは

全館空調とは

全館空調は、ハウスメーカーの全館空調、ビルダーフリーの全館空調に分かれます。

  • ハウスメーカーの全館空調:ハウスメーカー独自の全館空調
  • ビルダーフリーの全館空調:どの建築業者でも導入できる全館空調

 

まずは基礎知識として、全館空調の一般的な仕組みを一緒に確認しましょう。

 

全館空調の仕組み

全館空調の一般的な仕組みは、以下のとおりです。

1台の全館空調機を設置

全館空調機と各部屋をダクト等でつなぐ

センサー等で家全体の空調(温度、湿度、換気、空気の質など)を管理

 

全館空調機と各部屋をつなぐ方法は、4タイプあります。

  • 天井吹き出しタイプ:天井裏に設置した全館空調機と、各部屋の天井に設置した吹出口をダクトでつなぐ
  • 床下冷暖房タイプ:床下に設置した全館空調機と、床に設置した吹出口をダクトでつなぐ
  • 壁パネルタイプ:エアコン配管と、各部屋の壁に設置した冷暖房パネルをつなぐ
  • エアコン設置タイプ:エアコンを1台設置し、各部屋には通風口を設ける。通風口を開けるとエアコンの冷暖房が各部屋に届く

 

間取、面積、ライフスタイルなど家の使い方を考えながら、最適な全館空調を選ぶのがおすすめです。

 

全館空調と通常の空調の違い

全館空調は1台の機器で家全体の空調管理をするため、家全体が一定の温度、湿度、換気、空気の質(アレルギー物質やホコリの量など)となります。一方で通常は、部屋ごとに空調管理をしますよね。例えば冬であれば、「エアコンをつけているリビング」、「エアコンの無いトイレや廊下」、「石油ストーブをつけている部屋」では、部屋ごとの環境が全く違います。

 

全館空調の家の住み心地

全館空調の住み心地は、家の使い方、全館空調機の使い方によって全く違います。

  • 全館空調を中心に家全体の環境を整えるタイプの方にとっては、とても快適
  • 自由自在に各部屋の環境を変えたい方にとっては不便を感じるケースもある など

 

そこで次に、全館空調のメリット・デメリットも確認しましょう。どんなライフスタイルのご家族に全館空調が向いているのかもわかります。

 

全館空調のメリット・デメリットからわかる向き・不向き

全館空調のメリット・デメリット

全館空調はエネルギーを効率的に使って家全体の快適性をキープするシステムですが、メリット・デメリットがあります。

 

全館空調のメリット

  • 家全体の空調を一定にできる
  • 空調機器(エアコン、石油ストーブなど)を部屋に置かないので、見た目がスッキリ
  • 間取りの自由度が高くなる(吹き抜けや大きな部屋をつくりやすい)
  • 室内干しが乾きやすい

 

特に「家全体の空調を一定にできる」という点に魅力を感じる方が多くいらっしゃいます。

  • 部屋ごとの温度差が無いためヒートショックや熱中症予防が期待できる
  • 換気や空気清浄機能もある全館空調は、アレルギー体質の方や小さいお子様がいるご家庭も安心感がある
  • 冬の朝晩も、室内温度が極端に下がらない

 

全館空調のデメリット

  • 初期費用、電気代、メンテナンス費用が高い
  • メンテナンスが面倒
  • 乾燥しやすい
  • 故障時、家全体の冷暖房がとまってしまう
  • 急激に空調の状態を変えられない(急激に温度を上げる、下げるなど)
  • 家族間で体感温度の差があるとストレスになる

 

意外とデメリットが多いイメージですが、解決できるデメリットもあります。こちらの記事で詳しく解決しているので、ぜひご覧ください。

〈関連ページ〉全館空調はいらないとの口コミをハウスメーカーが徹底解説|失敗しない導入方法

 

全館空調の向き・不向き

全館空調のメリット・デメリットからわかる向き・不向きは、以下のとおりです。

 

【全館空調が向いているご家庭】

  • 開放感のある間取りにしたい
  • 電化製品なしのスッキリした部屋のデザインにしたい
  • 家族それぞれが別の部屋で過ごすことが多い
  • 洗濯は室内干しがメイン
  • 家族間で体感温度の差があまりない
  • 窓を開けて室内環境を調整するより、空調の効いている空間が好き

 

【全館空調が向いていないご家庭】

  • 各部屋の温度を自由に調整したい
  • 電気の使い方を細かく管理して電気代を節約したい
  • 窓を開けて空気を入れ替えるのが好き

 

全館空調は快適性の高いシステムですが、どのご家庭にも必ず合うとは言えません。導入を迷っている場合は、ハウスメーカー等の建築業者によく相談しましょう。全館空調を導入しているモデルハウスに行ってみるのも、全館空調を体験する良い方法です。

 

全館空調にかかるコストとは

全館空調のコスト

マイホーム建築の予算がある中で、全館空調にかかるコストが気になる方も多いのではないでしょうか。そこで、全館空調の初期費用とランニングコストを紹介します。

 

全館空調の初期費用

全館空調の初期費用は、一般的に100万円前後〜300万円前後が相場です。メーカーや性能によって価格が全く違うため、後ほど紹介するメーカー別の特徴をチェックして、気になるメーカーに問い合わせをしましょう。

 

一点だけ注意が必要なのが、全館空調と通常の空調の初期費用を比べるときの考え方です。「全館空調という1つのシステムに100万円〜300万円」と考えると高額なイメージがありますが、通常の空調の設置数等によっては、単純に高いとも言い切れません。

 

例えば以下のように各部屋に空調機器を設置すると、全館空調よりも初期費用が高額になる可能性もあります。

  • LDK(リビングダイニングキッチン)に高性能でハイパワーのエアコン
  • 夫婦の寝室にエアコン
  • 各子ども部屋(2部屋)にエアコン
  • 各部屋に空気清浄機

 

お住まいの地域の気候によっては、さらに石油ストーブ、こたつ、パネルヒーターなどを買い足すケースもあることと思います。初期費用を考えるときは、全館空調と家全体の空調機器で比較して考えてみてください。

 

全館空調の電気代

全館空調の電気代は、性能、家の広さ、ライフスタイルなどに左右されます。明確に「○円」とは言えず、1万円前後のご家庭も、3万円を超えるご家庭もあるのが実情です。ただし月々の電気代については、省エネ性能の全館空調を導入することで節約できるケースもあることを、覚えておいて頂けると幸いです。

 

全館空調のメンテナンス費用

全館空調をメンテナンスする費用相場は1〜2万円/年で、頻度は年1回が相場です。この他に、不具合がある場合は部品交換費用が必要になるケースもあります。ただし故障や不具合時の費用については、保証の範囲内で修理できるケースもあります。全館空調を検討する際には、メーカーごとの保証期間や保証範囲もチェックしておきましょう。

 

全館空調の特徴

全館空調の特徴

今回は全館空調のおすすめメーカー「(株)キムラ」の全館空調をピックアップし、メーカー独自の特徴を紹介します。

 

(株)キムラはビルダーフリーの全館空調を提供しているメーカーで、全館空調の商品名は『エアボレー』です。エアボレーには以下のような特徴があり、床暖房を導入しなくても足元から温かい家が実現できます。

  • ヒートポンプを使用するので省エネ&節電効果が高い
  • 屋外のヒートポンプシステムから1台の室内機へ冷暖房を流し、家全体の各部屋へ冷暖房が行き届く
  • 冬は全部屋床暖房のような暖かさ
  • 夏は「風が当たらないけど涼しい」を実現
  • エアコン同様の操作方法なので使いやすい

※ヒートポンプとは、外気に含まれる熱を効率よく使って家庭に必要な熱を作り出すシステムです。

 

高気密・高断熱の家づくりをしているクレアカーサでも、このエアボレーを導入した住宅を数多く建築しております。全館空調はもちろん、床下暖房や節電効果の高い設備などについても気になっている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

クレアカーサでは「高気密・高断熱」、「省エネ・創エネ機器を導入」といった特徴のあるZEH住宅を、プラス料金なしで建築できます。ZEH住宅にご興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

〈関連ページ〉ZEHはこれからのスタンダード|ゼロエネルギー住宅の定義やメリット・注意点を紹介

 

まとめ

全館空調の全体像からメーカー別の特徴まで解説してきました。全館空調には「快適で大満足」等の良い口コミも、「メンテンナンスが面倒で後悔」等の悪い口コミもありますが、メーカーによって機能や性能が違います。マイホームの建築を依頼する業者によっては選択肢が限られるケースもあるため、ぜひ建築業者に説明を求めながら納得できる選択をしてください。

 

クレアカーサでは、前述した『エアボレー』という全館空調を採用しています。「家の中に土間をつくる」、「天井をはらない開放感のある空間をつくる」などのプランでも、温度差の無い快適な家づくりができますので、詳しくは電話、メールにてご相談ください。

 

 

またショールームはキッズルーム完備で、小さいお子様はスタッフがお預かりいたします。クレアカーサの家の快適性をゆっくりご体験頂けるので、ぜひお気軽にご来場ください。

 

 

監修者情報 クレアカーサコラム編集部

クレアカーサコラム編集部

家づくりに役立つ情報をお届けしています。

住宅業界の専門性について

免許登録
  • 建設業許可番号 国土交通大臣 許可(特-5)第29052号 国土交通省
    宅建業免許証番号 国土交通大臣(15)第810号 国土交通省
資格情報
  • 一級建築士、二級建築士、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、茨城県木造住宅耐震診断士ほか
受賞歴
  • ・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー 優秀賞を2シリーズでダブル受賞 ・三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 ブロンズデザイン賞 ・ZEHビルダー評価制度で最高ランクの6つ星を取得 等